中島公園内にひときわ目立つ白とブルーの洋館、豊平館(ほうへいかん)。四季折々に移り変わる中島公園の景色に佇む姿は、何度見ても魅力的です。
豊平館は明治政府機関(開拓使)が建てた唯一のホテルで、明治天皇が札幌を訪れた1881年に会館しました。
もともと現在の札幌市中央区北1条西1丁目(大通公園1丁目付近)に建てられましたが、1958年に中島公園に移築保存されました。
移築後は、結婚式場として長く札幌市民に利用されてきましたが、現在は交流施設として市民に親しまれています。
国指定重要文化財となっている豊平館内では、明治初期の歴史と建築物の美しさを存分に楽しむことができます。
- 豊平館へのアクセス、基本情報
- 豊平館の入場は裏側から
- 豊平館の内観・1階
- 豊平館の内観・2階
- 豊平館の内観のみどころ
- 豊平館の外観
- 喫茶室(カフェ)ハルニレでくつろぎの時間を
- まとめ|豊平館でゆったりとした時間を
豊平館へのアクセス、基本情報
● 地下鉄南北線「中島公園」3番出口から徒歩5分
● 市電「中島公園通」下車、徒歩5分
※ 一般の駐車場はありませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。(身障者駐車場はあります)
住所:北海道札幌市中央区中島公園1番20号
TEL:011-211-1951
開館時間:9:00-17:00 (入場は16:30まで)
カフェ営業時間:11:00-15:00
休館日:毎週第二火曜日(祝休日の場合はその直後の平日)・年末年始(12/29-1/3)
入館料:300円(中学生以下無料)
駐車場:なし(身障者駐車場あり)
公式サイト:豊平館
豊平館の入場は裏側から
豊平館への入場は正面玄関からではありません。正面向かって右手にまわります。こちらの通路を奥へと進みます。
表からは見えませんが、豊平館の裏側にはこのような近代的な建物がありますのでここから入館します。
入るとチケットカウンターがありますので、そちらで受付をすませます。
豊平館の内観・1階
豊平館の内部は、1階と2階のほとんどの部分を見学することができます。
西洋ホテルとして建てられた豊平館の各部屋には名前がついています。
葡萄(ぶどう)という名のお部屋。
芙蓉(ふよう)という名のお部屋。
芙蓉の寝間には設置した展示映像「幸せの記憶」の中で、実際に行われた挙式の映像を見ることができます。
現在ではカフェとして利用されている会食所。
アンティークチェアが優雅に並びます。
左から、「エドワードダイニングチェア 1974年製」「アンドリューアームチェア 1974年製」「カンヌチェア 地中海シリーズ 1979年製」。
豊平館の内観・2階
豊平館で最も広い部屋「広間」。
このお部屋は、講演会、宴会、会議、茶話会、コンサートなどでレンタルすることができます。
広間内に設置されているタブレット。持ち上げて正面に向けると明治時代の様子をARで楽しむことができます。
舞踏会の様子を見ることができます。タブレットを動かすと、様々な方向で人々が踊っています。
お部屋の見どころ解説も聞くことができます。
芍薬(しゃくやく)寝間
ベッドと洗面台が配置された寝室です。当時、水道はなかったのでホテルのスタッフがお湯を運んできて洗面器に入れて利用していたそうです。
梅という名の部屋。
明治・大正・昭和天皇が滞在された部屋です。この部屋は木部の塗装「春慶塗り」や壁構造も建設当初の様子が復原されています。
このお部屋にもタブレットが置いてありますので、お部屋の解説を聞くことができます。
椿という名の部屋。
豊平館の内観のみどころ
1階ロビーから2階への階段。手すりは職人の高度な技術で仕上げられています。
美しい曲線と装飾。
豊平館内のカーテンは日本伝統のデザインである「牡丹唐草」。京都西陣で織られた当時のものを再現しています。
8組あるシャンデリアのうち4組は建設当初のものが残っています。
後に電灯に切り替えられましたが、設置当初はガス式を導入したことから、コックが付いています。
シャンデリアの吊元の天井中心飾は、15基が建設当初から残されています。復原された2基とあわせて全17基存在します。
漆喰を盛りつけ、立体的に仕上げていく「こて絵」という伝統技術。
日本の伝統文様がモチーフに採用され、部屋ごとに異なるデザインとなっています。
「もみじ」「牡丹」「菊」「葡萄」「椿」「鳳凰」「波に千鳥」など。
館内には6基の暖炉が復原されています。マントルピースは天板のみが大理石で、そのほかは大理石風にしつらえた漆喰塗りで作られています。
豊平館の外観
外観の塗装は白いを基調とし、窓枠や軒にはウルトラマリンブルーと言われる澄んだ青色が使用されています。
ウルトラマリンブルーとは、昔は宝石として尊ばれたラピスラズリ(瑠璃)から作られた高貴な色です。
正面中央の玄関には、半円形の車寄せを配置。その上部は装飾の施された手すりを配したバルコニーを設けています。
バルコニーの真上の屋根には円弧系のペディメント。
バルコニーを支える柱は縦溝彫で、柱頭にはギリシャ建築のコリント様式にならった花葉彫刻が飾ってあります。
夏には豊平館前をランドスケープペチュニアの淡いピンクが彩ります。
紅葉の秋も美しい。
喫茶室(カフェ)ハルニレでくつろぎの時間を
1階の会食所は、カフェとして利用されています。
特別なお部屋で、ゆっくりと流れるくつろぎのひと時を味わうことができます。
ご注文はカフェ内のカウンターで。価格は税込です。
● 豊平館オリジナル珈琲 400円
● 中島公園の紅茶 400円
● アイス珈琲、アイス紅茶(6月より)400円
● オレンジジュース 400円
● オリジナル焼き菓子 200円
お持ち帰りもできるオリジナル焼き菓子3枚セットで200円(税込)。
円山のケーキ店『ポルトルージュ』のフランスで修行を積んだパティシエによるオリジナル。
自家製ラズベリージャムをサンドして開拓使のシンボル「五稜星」をイメージたソフトタイプのクッキー「エトワール・ルージュ」が1枚。
ラム酒漬けレーズンを乗せて焼いた絞り出しクッキー1枚。
3枚目は、レモンペーストとレモンピールを入れて焼いたクッキーまたは、カカオ生地にココナッツを練りこんだチョココのどちらかを選べます。
おまけの小さな星形クッキーが可愛いです。
まとめ|豊平館でゆったりとした時間を
中島公園内にひときわ目立つ白とブルーの洋館、豊平館(ほうへいかん)をご紹介しました。四季折々に移り変わる中島公園の景色とともに何度来ても楽しめます。
豊平館は明治政府機関(開拓使)が建てた唯一のホテルで、明治天皇が札幌を訪れた1881年に会館し、現在は交流施設として利用されています。
国指定重要文化財となっている豊平館内では、明治初期の歴史と建築物の美しさを存分に楽しむことができます。カフェスペースもありますので、ゆったりと時間を過ごしてみてはいかかでしょうか。
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