札幌市西区、地下鉄東西線「琴似駅」から歩いて4分。商業施設が立ち並ぶ中心部、北海道開拓の歴史を垣間見られる『琴似屯田兵村兵屋跡』。
1874年(明治7)に札幌に屯田兵が初めて入植したのが、ここ琴似屯田兵村。本部施設や学校などの中心施設は、現在の西区役所、琴似神社あたりに集まり、その北側に208戸の兵屋が建てられました。
『琴似屯田兵村兵屋跡』は、入植時の第133番兵屋が建っていたまさにその場所に、1972年に修理・復元されました。
当時の北海道の住宅では見られなかった様式である土間、囲炉裏、縁なし畳、雨戸なども見られ、開拓期の人々の暮らしに触れることができるコンパクトな施設です。
北海道開拓の歴史の体験に、ぜひ足をはこんでみてはいかがでしょうか。
琴似屯田兵村兵屋跡へのアクセス、基本情報
● 地下鉄東西線「琴似駅」から徒歩4分
住所:北海道札幌市西区琴似2条5丁目1-12
TEL:011-621-1988(警備員詰所)
開館時間:9:00-16:00
休館日:年末年始(12月29日〜1月3日)
観覧料:無料
駐車場:なし
※ 近隣にはコインパーキングが多数あります。
琴似屯田兵村の歴史
1873年(明治6年)に創設された屯田兵制度ですが、北海道の開拓と防備を任務とし、「18歳から35歳までの体の丈夫な者」から選出されました。
この制度は、1904年に廃止されましたが、その間に37兵村が設けられています。
琴似屯田兵村は1875年(明治8年)5月、宮城、青森、酒田の東北3県と道内から198戸が入植し開村しました。家族を含めて965人がこの地に移り住みました。
兵村は一戸150坪(495㎡)の宅地が整然と並ぶ密居式でした。身を寄せ合うかのように、密接に暮らしていたことをうかがい知ることができます。
札幌には、1875年から14年間に、琴似屯田兵村、山鼻屯田兵村、新琴似屯田兵村、篠路屯田兵村の4兵村が設けられました。
琴似屯田兵村兵屋
琴似屯田兵村兵屋跡は、無料で観覧することができます。右手の警備詰所に警備員さんがいますが、お声をかけずとも自由に出入りして大丈夫でした。
1982年には、国の史跡に指定され、2004年には北海道遺産に選定されています。
1戸分150坪の宅地は、兵屋と畑で構成されています。
兵屋には、土間、囲炉裏がある居間兼台所、二間続きの和室があります。
土間には当時使用されていた様々な道具の展示品があり、当時の生活の様子が垣間見られます。
畑仕事で使用された道具からも、当時の生活の厳しさを想像できます。厳しい気候の中、手作業での開拓の苦労ははかりしれないものがあります。
屯田兵の生活は、朝のラッパの音とともに始まり、家長であるお父さんは軍事訓練に出かけ、その間お母さんと子供は農作業に従事していたそうです。
居間兼台所は板間となっています。スリッパが準備されていますので、中に入って見学することができます。
こちらの囲炉裏で食事の準備をし、暖をとっていたのでしょう。
二間続きの部屋には縁なしの畳が敷かれています。新しい様式が屯田兵制度とともに多く北海道に入ってきました。
屯田兵のくらしの資料
写真や資料からも、励まし合い開拓に励んだ琴似屯田兵とその家族について知ることができます。
琴似屯田兵村菜園
屯田兵が交錯していた自家農園を、地域の人々の協力を得て再現しています。
当時の兵村内には、屯田兵が作った水路が流れていました。その水路を用水としながら敷地内に菜園をつくり、生活の糧の足しとしていmした。
訪問時には、じゃがいも、とうきび、大根、枝豆、かぼちゃを栽培していました。
まとめ
札幌市西区、地下鉄東西線「琴似駅」から歩いて4分。商業施設が立ち並ぶ中心部、北海道開拓の歴史を垣間見られる『琴似屯田兵村兵屋跡』をご紹介しました。
1874年(明治7)に札幌に屯田兵が初めて入植したのが、ここ琴似屯田兵村。入植時の第133番兵屋が建っていたまさにその場所に、1972年に修理・復元されました。
北海道の歴史を感じられる史跡、北海道遺産は数々ありますが、琴似の街中こんな身近にあるなんて驚きでした。
北海道開拓の歴史体験に、気軽に立ち寄れる場所です。ぜひ足をはこんでみてはいかがでしょうか。
▽ 琴似屯田兵村兵屋跡近隣の情報
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