北海道に引っ越してきて「なんだこれ?!」と思ったことがいくつかあります。今日はそのうちの一つ「消火栓」について調べてみたいと思います。
北海道のあちらこちらで、地面からにょきっと立っている消火栓。北海道民にとっては、お馴染みの光景です。実は関東など雪の降らない地域の街中では、ほとんどお目にかかることがありません。初めて見た時は「何これ?」と違和感ありまくり!
調べてみると、北海道でも地域によって消火栓の形や色が違うことがわかりました。そこにはさまざまな理由もありました。
関東などで見られる消火栓
そもそも消火栓とは、消火活動に必要な水を供給するための水道設備です。蓋には「消火栓」と表示されています。
筆者がこれまで住んだ地域で一般的に見られるのは、こちらのマンホール型の消火栓。目立つように黄色で塗色されているものが多数です。
車道または歩道上の地面に埋め込まれているため、他のマンホールとの違いがあまりなく、日常で目に入ることもほとんどありません。
場所によっては、このように消火栓付近に消火栓標識が立てられています。
消火栓を使用する時は、蓋を取り外し、スタンドパイプという器具を取り付けます。
札幌の消火栓は黄色
札幌市内でよく見られるのは、こちらの黄色の消火栓。
火災が発生した時に目に入りやすいように、視認性が良い黄色を採用しています。夜間でも発見しやすいのが黄色ということです。
同じように白も視認性に優れていますが、冬期に雪と紛れて見えづらいので黄色を採用しています。
採用されていないにもかかわらず、白い消火栓を時々見かけます。これはいったい!?
実は色の塗り替え中に見られるのがこちらの「白」。白を下地に塗ってから、黄色を重ねるということです。
札幌大通公園周辺では、景観に配慮したグレーの消火栓も見られます。
こちらは、大通公園付近の緑の消火栓。一見、消火栓には見えません。
旭川の消火栓は赤色
旭川の消火栓は、赤を採用しています。雪の多い旭川では、雪が積もっても見やすいということで赤になったと言われています。
旭川でも、景観に配慮した茶色、灰色も採用しています。
小樽の消火栓はカラフル
坂の街小樽では、5色の消火栓が存在します。排水系統が5系統あることから5色に色分けしています。
以前はこの色分けがなく、1974年に発生した大規模火災では大きな問題が生じました。一つの配水池からたくさんの水を出したことによって、消火栓から水が出にくくなりました。
同じ配水池に消防車が集中することがないように、消火栓の色を分けるようになりました。つまり同じ色の消火栓は、配水池が同じということです。
排水系統の違う消火栓を使えば、水が出にくくなるという心配がありません。
黄色と赤の消火栓。黄色一色の消火栓もあります。
こちらは、赤色の消火栓。
後一つ、赤色のボディに青の帽子をかぶったような消火栓があります。
函館の消火栓は三方式
函館の消火栓はこちら「函館型三方式地上式消火栓」。
1934年の函館大火を機に、防火用水道の整備を始めた函館市。三方式消火栓は、外国の消火栓をモデルにしたと言われています。菅が太く、放水量が多い消火栓を採用しています。
函館は木造の建物が大いことからも、放水量が多い消火栓が活躍しています。
まとめ|個性光る北海道の消火栓
北海道の消火栓は、街ごとに色や形が違います。採用された形や色には、それぞれの地域ならではの理由もあります。
札幌の黄色、小樽の5色の消火栓など見た目もかわいくて思わず写真を撮りたくなります。新しい街に出かけたら、消火栓を探してみると新しい発見があるかもしれません。
▽ 関連記事